『FUJIKO』が、忘れられない映画になった日──心が動く場所へ、自分の足で行くこと
昨日、『FUJIKO』をもう一度観てきた。
この2週間は、結構、怒涛だった。
仕事も、子どもたちの学校関係のことも続いていて、正直「今日は無理かも」と少しだけ思っていたくらいだったけれど、
それでも「やっぱり行きたい」と思って足を運んだ。
結果から言うと、本当に行ってよかった。
先月『FUJIKO』を最初に観たとき、感情が動いたことに気づくより先に涙が出ているような場面が何度もあった。
うまく言葉にできなかったけれど、
でも自分が最近考えていたこととどこか深くつながっていて、
「もう一度観れたらいいな」と自然に思った映画だった。
そして今回、UPLINKで木村太一監督と、映画のモデルになったお母様のトークショーがあると知り、思い切って参加した。
最前列。
上映後に準備された椅子は、本当にお茶をご一緒しているくらい近い距離。

監督は、これまでメディアなどで見ていた通り圧倒的な存在感があった。
でも実際にお話を聞くと、その奥にある静けさや優しさも伝わってきた気がした。
きっとこういう方だから、人の複雑な感情をあんなふうに描けるんだろうな、と感じた。
そしてお母様。
映画でも強烈な存在感だったけれど、実際のご本人もとてもチャーミングで、パワフルで、人を惹きつける魅力にあふれていた。
「FUJIKOさんはこの方なんだ」
そう思わせる説得力があった。

さらに驚いたのは、サプライズで主演の片山友希さんが登場したこと!
プライベートで監督とお母様のお話を聞きたくて来られたそうで、
それだけでも、この作品とこの親子の関係の特別さが伝わってきた。
片山さんは、とても自然体なのに目を奪われる美しさだった。
まっすぐで透明感があって、
それでいて人生を切り拓いていく力強さも感じる方だった。
そして最後に、サイン会。
私は既にパンフレットを持っていたので、3番目に並ぶことができた。
自分でも意外なくらい、緊張しながら。
本当は言いたいことがたくさんあった。
でも、実際に目の前に立ったら、言葉が出てこなかった。
「今日、2回目なんです」
「最初に観たとき、気づいたら泣いているようなシーンがあって……」
「素敵な映画を、本当にありがとうございました」
それしか言えなかった。
でも監督も片山さんも、とても嬉しそうに受け取ってくださった。
その短いやり取りだけで十分だった気もする。
そして恐る恐るお願いすると、お二人とも快く写真も撮ってくださった。
お二人のサインを頂いたパンフレットと共に、宝物になった。

終わって外へ出たあと、体の奥からドキドキしていた。
震えるというより、体の底から熱くなるような、不思議な感覚だった。
でも…
この日一番心に残った出来事は、もうひとつ別にある。
それはトークショーでの、お母様のお話。

最初は、ご自身を映画にすることに反対していたこと。
監督と、たくさんお話をされてきたこと。
そして今までは映画について、一度も、監督に「ありがとう」は言ってこなかったこと。
そのお母様が、この日、この場で初めて監督に「ありがとう」を伝えた。
私は、その瞬間を見ることができた。
監督の、なんとも言えない表情。
あの表情は忘れられないと思う。
私も母でもあるから、勝手にいろいろなことを想像してしまった。
もちろん同じ立場ではない。
でも、親子だからこその時間や距離や積み重ねが、
あの短い瞬間に全部詰まっているように感じて、胸がいっぱいになった。
「すごい人」と簡単に言ってしまうことがある。
監督も片山さんもお母様も、本当にすごい方だと思う。
でも今日改めて思ったのは、「すごい人」という一言では表せないということだった。
作品をつくる人。
演じる人。
同時に、毎日を生きる人であり、
親であったり、子であったりもする、
一人の人間なんだ。
だからこそ心を動かされる。
だからこそ作品も、人の心に届く。
昨日は、そんな方たちの柔らかい部分を見せてもらえたことが、
本当に嬉しかった。
作品だけじゃなく、作品が生まれた背景や、
人と人との関係まで含めて受け取ることができた時間だった。
やっぱり、まだ全部は言葉にできないけれど……
この映画に出会えたこと。
監督、お母様、片山さんに直接
「ありがとうございました」と伝えられたこと。
そして、お母様から監督への初めての「ありがとう」を目撃できたこと。
全部ひっくるめて、忘れられない時間になった。
この経験は、私自身の仕事や創作にも、きっとつながっていく。
そんな確信がある。
だから、この日のことは、今この熱い気持ちのまま、
ちゃんと残しておきたいと思った。
そしていつか、自分の形や言葉でこの映画から得たものについて書きたい。
ここまで心を動かしてくれた作品への感謝も込めて。
素晴らしい作品とひとときを、ありがとうございました。

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著者プロフィール

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書籍編集、企業広報やSNS、HPのライティングなど、
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生活者としての実感を大切にしながら、
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