オンラインで楽しむ新感覚エンタメ

外出自粛の中で次々と生まれている「オンラインだからこそできる、新たな価値を生み出しているサービス」。その中から私が実際に体験してワクワクした取り組みを、LEE連載で数回に渡ってご紹介しています。

前回の 【子どもが教える学校】に続く第2回目は、オンラインで楽しむアートと舞台についてお送りします。

「ミカエラ・カーロとめぐる仮想美術館」

◇親子で美術館を楽しむイベント

主宰されているのは、普段は街歩きツアーガイドとして、独自の視点を生かした面白いツアーを企画運営されている田中美薫江(みかえ)さん。

外出自粛で「街歩き」ができない中、これまでもオンラインで様々な「仮想ツアー」を企画されており、私たち親子が参加したこちらのイベントは「親子で一緒に美術館へ行く」というものでした。

◇子ども含めて、芸術をみんなで賑やかに楽しむ!

通常の街歩き(左下写真)とは違い、仮想美術館では毎回「ミカエラ・カーロ」という名前の芸術家という設定で登場する田中さん。

美術にも造詣が深く、この姿から語られる面白い切り口のお話には、参加者全員がぐいぐいひっぱられていました!

新幹線で、テーマとなる美術館に向かうところから始まるこの仮想ツアー。芸術について子どもでもわかる表現で温かく語ってくださるだけでなく、色々な写真を見ながら毎回必ず子どもたちに感想を聞いてくれました。

基本的に美術館は静かにしなければいけない場所ですが、赤ちゃんが泣いても、子どもが大きな声を出しても、途中でうろうろしても心配ないのがオンライン。

賑やかな子ども達のユニークな感想に盛り上がりながら、参加者皆でワイワイと写真を見る経験は大変楽しいひと時で、参加された多くの方もその点がすごく楽しかったと話していました。

今回のテーマは「リアリズム」。事前に「ありのままのママ」というテーマで子どもたちに写真を撮ってもらっていた今回のイベント。最後にどうしてこの写真を撮ったか、どこが好きかなどを皆の前で一人一人発表する「参加型」のイベントということも、子ども達が楽しめたポイント☆

独自の芸術「語り劇」を行う 「小河知夏劇場」

◇「オンライン語り劇」って何?

一人の語り師が、登場人物からナレーションまで何役も演じ分けて、物語が進行していく「語り劇」。一番近いイメージは「落語」ですが、古典が多い落語と違い、現代劇や海外のお話など多くの方に馴染みのある作品を扱うことが多いといいます。本をそのまま読む「朗読」や「読み聞かせ」とも違い、耳から聴いてより想像が膨らむように、脚色、演出を加えながら役を演じ分けて表現していくそうです。

語り師とお客さんのスペースさえあればどこでもできるため、普段はお店や会社、学校やイベント会場、時にはお寺など、様々なスペースで上演されています。

そして、新型コロナの外出自粛をきっかけに、それらをオンライン用にプロデュースし直して作られたのが「オンライン語り劇」です。

◇画面から溢れる迫力と、憑依したような演技

何よりも印象的だったのは小河さんの七変化!もともとの小河さんは、お姿も話し方も可愛らしい雰気なのですが、演じる役柄ごとに表情が全然違い、全く異なる人物に見えました。

また、普通の舞台ではここまで間近で演技を見られることはなく、その距離わずか10cm!涙も見える近さで舞台を堪能し、佳境のシーンでは一瞬も目が話すことができず、気づいたら私まで息を止め、画面の向こうにいる小河さんと一体化しているかのような感覚がありました。

終演後に参加者の方の話を聞いていると、この臨場感にはまってしまい毎回欠かさずオンライン語り劇に参加していると話すファンの方も多くいらっしゃいました。
お客様の顔が小河さんからの見えることが相乗効果になるそう。見ている側の表情や呼吸や目の動きなどを受け取って演技するからこそ、あそこまで役に入り込めるのだとか。

「表現」への熱い情熱に、オンラインをフル活用

どちらも外出自粛をきっかけに生まれた新しいスタイルですが、単に今までやっていたことをオンライン配信しているわけではないところが新しい。
制限の多い状況の中で、もともとのご活動を活かして何からできるか考えた結果、オンラインの良さを生かした内容を考えて形にしている点に、とても心を動かされました。

そしてその根っこにあるのは、表現への愛なのではないかなと思います。
自分が発信したいことをより良い形でお客さんに届けるためにはどうすればいいか、その試行錯誤が垣間見え、作品やアーティストの方への尊敬と愛が伝わってきました。

もちろんリアルの世界で触れる芸術は素晴らしいものですが、その「代替品」ではなくオンラインだからこそ楽しめる新たな選択肢が増えていることはとても喜ばしく、未来の可能性を感じます 。

少しずつ日常を取り戻しつつありますが、季節は梅雨。
おうちで楽しめる新たな形のオンラインエンターテイメント、気になった方は是非チェックされてみてくださいね!

少しずつ日常を取り戻しつつありますが、季節は梅雨。
おうちで楽しめる新たな形のオンラインエンターテイメント、気になった方は是非チェックされてみてくださいね!

みかえやJAPAN (6月27日(土)仮想美術館(土門拳)開催予定)

小河知夏-オガワチナツ-劇場
6月20日(土)オンライン語り劇 夏目漱石 作「 吾輩は猫である 」
6月21日(日)オンライン語り劇 太宰治 作「 走れメロス 」 上演予定

【こぼれ話☆新たな挑戦を始めるきっかけに】

今回ご紹介したお二人とご縁のきっかけは「日本ママ起業家大学」通称「ママ大」です。
昨年、「ママが笑顔で働き続けられることを大切にしたい」という、学長の近藤洋子さんのインタビューを人気ラジオ局J-WAVE(大好きで日々ヘビロテのラジオステーションです♪)で偶然聞き興味を持ち、その後LEE連載でも記事を書かせていただけることになりました。

それ以来、緩やかに繋がりを持たせていただいていたのですが、そのママ大が毎朝Facebook Liveで番組を始めたのは5月の終わりのこと。(とても有意義な番組で、ブログでも書かせていただきました!)

その番組を通して、もともとオンライン化が進んでいた流れが、新型コロナの自粛をきっかけに加速度的にスピードアップしていると身をもって感じ、その面白さを実感させてくださったのが今回取り上げたおふたりでもありました。

大変な状況の中でも「今の自分に何ができるか」ということに真剣に向き合い、それを新たな取り組みやコンテンツという形で世の中に送りだし、多くの方を感動させている…

近藤洋子さんを始め、そんな方々との出会いが「この状況下だからこそ私自身も変化したい!」という思いに繋がり、行動を起こすきっかけになりました。

新型コロナによって海外転勤が延期になったからこそ改めて芽生えた「日本にいても、海外にいても、どんな状況でも、『自分が好きな仕事』ができる力をつけたい!

これから始めて行く新たな挑戦についても、随時お伝えしていきたいと思っています!

著者プロフィール

ライター 佐々木 はる菜
ライター 佐々木 はる菜
現在は夫の海外転勤に同行し、小学生の兄妹と共に家族でブラジル在住。集英社「LEEweb」や企業HPでのコラム連載、時事通信社「時事ドットコム」での特集記事など、女性目線・ママ目線に強いライターとして国内外のトレンドや社会的な取り組みなどを幅広く執筆。丁寧な取材に基づく等身大の体験記事、インタビュー記事、実体験をもとにしたコラムに定評がある。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」についての発信がライフワーク。著書にkindle「今こそ!フリーランスママ入門」。

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ライター 佐々木はる菜
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