2年延期の海外転勤!始まりは、やっぱりトラブルと共に/海外引越し・荷造りの現実

出発当日に、娘が唇を5針縫う騒ぎ

編集者の方に押された「ネタが尽きない」という太鼓判

コロナ禍で2年の延期を経て、
現在は夫の海外転勤に同行し家族でブラジルに住んでいる、
フリーランスライターの佐々木はる菜です。

はじめましての方は、よろしければこちらをご覧ください☆
「ライター佐々木はる菜プロフィール」

「はる菜さんは、失礼ながら我々編集者からすると”持ってる人”なんですよね~。次々と面白いことがおこるタイプでトラブルも乗り越えていくから、ご本人は大変な時もあると思いますが、ネタの宝庫。」

ついに家族で日本から地球の裏側ブラジルに飛び立つその日、転んで唇を5針縫うケガをしたのは我が家の7歳になる娘。今でもあまり思い出したくないが、ざっくり切れたその様子を見た時は、久々に動転し頭が真っ白になった。

成田空港への道

そして数時間後の、成田空港に向かう車の中。
だんだんと夕暮れにさしかかる東京の景色と空を眺めながらふと浮かんできたのが、お世話になった編集者の方に海外前のご挨拶へ伺った際、別れ際に言われたその言葉だった。

「もちろん、ご本人がアンテナを張っているからこそ色々起こるわけですし、ブラジルでも、あなただからこそできる良い経験をたくさんしてください。仕事柄つい”ネタ”を探しちゃうと思いますが、まずはそういうこと抜きに、自分自身が楽しむことが大切ですよ」

そんなふうに続けてくださったそのお話はとても良い内容だったけれど、まさに渡航直前までトラブル続きだった状況下、笑えるような笑えるような何とも言えない気持ちになっていた。

地球の裏側に旅立つ直前の緊急手術

飛行機は夜10時半発。娘がケガをしたのは、そのちょうど11時間前。
運良く、成田まで車で送ってくれることになっていた弟の病院で急遽手術してもらうことができ、予定通り飛行機に乗れることになった。

成田空港
空港に到着する頃には元気に走り回れるようになっていた娘の姿に一安心…

実は弟には5年前、娘が幼稚園で眉毛のあたりを切った時もお世話になっている。
ちなみに、形成外科医的に難しい箇所として言われているのが「眉毛と唇」だそうで、娘は生まれて7年でどちらも経験し叔父に助けてもらっているわけで…本当に頭が上がらない。

弟の職場でもあるのに、飛行機に乗る予定のすっぴん&超カジュアルな格好で出向いてしまった上に、無事に手術が終わって改めて御礼を言うときは、ほっとしたのとありがたさと寂しさで、早々と涙が出てしまった。

ケガの場所が顔だったこともあり、「まさかの延期もあるかも…?!」という可能性も捨てきれず、成田空港のラウンジでようやく家族で一息つくまでは綱渡りのような気持ちの1日だった。

空港のラウンジ

荷物を海外発送した後に、コロナ禍で延期

夫は先に海外へ、子どもたちと私は日本で2年

飛行機の窓の外

夫の海外転勤でブラジルでの生活が始まった我が家だが、「ネタの宝庫」と言っていいかわからないが、確かにトラブル続きだったことは間違いない。

5年以上、毎年のように「今年こそ海外転勤があるかも」と言われ先が見えず色々と悩んだ時期を経て、やっと決まった転勤先は、世界中に可能性があった中で意外にも南米ブラジル。

そしてその内示の時期に始まったのが、世界的なコロナ禍だった。

荷物なども半分以上送ってしまっていたが、世の中が大混乱する中で一度ブラジルへ行った夫は半年ほど帰国、その後再び渡航。そしてそれから約2年弱、私と子どもたちの渡航は延期が続き、パパと離れ離れの上に主要な家具や雑貨などもないまま、日本で過ごすことになる。

「ブラジル行く行く詐欺」なんて時に笑い飛ばしながら、でもこれまでも様々なところで発信してきたように、やはり家族バラバラで暮らさざる得なかったことの辛さは語りつくせない。
ただ振り返ると、大変だったことも含めて様々な出会いやチャンスに恵まれ、子どもたちにとっても私にとっても、かけがえのない期間となった。

新たに送れる荷物が「あと段ボール5箱」という衝撃

しかし…いざ渡航という段になって大変だったのが「荷物問題」だった。

多くの場合、海外転勤が決まると会社が「船便」と「航空便」で引っ越し荷物を海外発送してくれる。
一般的に「船便」は到着まで数か月かかり、家具など重量があるものを始めたくさんのものを送ることができる。ちなみにブラジルの場合は3,4か月かかるそう。
対する「航空便」は、発送量は少ないが早めに到着するので(それでもブラジルは2か月くらい)、到着してすぐに使いたいものを送ることが多い。

しかしうちは、転勤が決まった当初に船便を出してしまい、そこから2年の月日が経過している。
子どもたちの服はほぼサイズアウト、学用品や本やおもちゃも年齢に合わなくなっているものも少なくない。もともと制限があり厳選して送った日本の食材などは、当然ながら賞味期限切れ(延期が決まった時に、他の駐在の方にもらっていただいた)。

子連れの上に行先はブラジル。送りたいものは山ほどある。しかし今回、当初送れると言われたのが「航空便で段ボール5箱分」。

…無理!!!

引っ越し業者さんの前で泣きそうになったワケ

海外引越荷物の準備
現地で必要なものを調べ買い足しつつ、家中の物を細かく分ける作業が延々と続く。

下見に来た業者さんに「ほとんど送れないので、これをチャンスに心機一転、全て処分し断捨離されると考えたらいかがですか?」といったことを冗談めかして何度も言われた時に思わず浮かんだのは、悔し涙でした。

2年前、一所懸命整理して準備して送ったものが半分以上無駄になったこと。
2年間、家具など不十分な状況で、残ったものを大切にしながら暮らしてきたこと。
それなのにさらに「荷物を減らせ」と言われること。

海外引越の様子
2年前の船便。今回もこの時も、前日はやっぱり徹夜…

もちろん、家にある荷物はとても5箱に入る量ではないし、その方にも悪気はないとわかりつつ、抑えても上がってくる涙に自分でもちょっと驚きながら、それを隠すのに必死で途中からはほとんど押し黙ってしまった。

自己都合ではないこともあり、結果的には送ることのできる量が少し増え、加えて飛行機で持っていく荷物もあらかじめ空港へ送付するなどして、家族4人で32kg×9個のトランク&段ボールと共に日本を出発しました。

空港での荷物梱包
↑こちらは出発前に空港で初めてやった、荷物ぐるぐる巻き!20代の頃、海外で乗った飛行機に預けた荷物の中身を盗られた経験のある私は大感激!ちなみに空港への荷物送付サービスや盗難防止のパッキングなどは、全て夫が調べてくれた。感謝!!
海外への機内持ち込み荷物
今見ても、すごい量。小4の息子も頑張って運ぶのをお手伝い☆

ブラジルへ、ドバイ経由で約30時間の旅

まるで結婚式のよう。ゴールではなくスタートライン!

飛行機の荷物
空港で弟が子どもたちに書いてくれた荷物タグのイラストがお守りに思えた。今でも自分のノートに貼って保存、笑


出発前の2か月ほどは、様々な時期に親しくなった多くのお友達、仕事でお世話になった方々、家族や親せきに会いに出かけて回る日々だった。

大切な人たちの顔をこんなに立て続けに見て、感謝を伝え、そして温かな言葉をかけてもらう。なんだか結婚式の時のような気持だった。もちろん会うことが叶わなかったこともあったけれど、たくさんの方に温かく送り出していただいたからこそ、やっぱり日本を離れるのは寂しい。
でも、直前までトラブル続きだったからこそ当日はもう悲しみに浸る暇もなく、泣かずにお別れできたのは良かったのかもしれない。

そして結婚式と同じく、これはゴールではなくスタートライン。
まずはドバイを経由しての30時間超の空の旅!そして初めてのビジネスクラス。ここからまた、我が家の珍道中が始まる。

成田空港のロビー

著者プロフィール

ライター 佐々木 はる菜
ライター 佐々木 はる菜
現在は夫の海外転勤に同行し、小学生の兄妹と共に家族でブラジル在住。集英社「LEEweb」や企業HPでのコラム連載、時事通信社「時事ドットコム」での特集記事など、女性目線・ママ目線に強いライターとして国内外のトレンドや社会的な取り組みなどを幅広く執筆。丁寧な取材に基づく等身大の体験記事、インタビュー記事、実体験をもとにしたコラムに定評がある。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」についての発信がライフワーク。著書にkindle「今こそ!フリーランスママ入門」。

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ライター 佐々木はる菜
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